ジストニアやリハビリに関するビデオや投稿などは「youtube連携ページ」や「SNS連携ページ」でご覧いただけます(只今準備中です。10月末までに完成予定です)
はじめに
フォーカル・ジストニアは病気です。したがって、医師でないギター関係者が、当該文書を公表することは、医師薬事法に抵触することです。
しかし、ギタリストでジストニアに悩む(ジストニアを知らず、あきらめてギターから離れた人を含めると)多くの人たちを思うとき、情報の少なさに、困惑しているのが現状と思われます。
そして、当校にて症状の改善を得たすべての生徒さんも同意見で、ぺぺタス・ギター教室がこのような情報を発信することを強く支持していただいています。
「当校とジストニアの生徒さん(過去・現在)」が:
・実際に取り組んだ実例
・医師から直接聞いた話を元に生徒さんとレッスン内ですり合わせた事実
をここに記載していることを確約し、情報発信させていただきます。
ジストニアについて
「ジストニア」とは、楽器演奏者やスポーツ選手に見られる、脳神経の異常により体の一部が自分の意志とは関係なく動いてしまう症状が見られる病気と言われています。
音楽家に起こるジストニアのことを「MD(ミュージシャンズ・ジストニア)」と言っています。
この病気は、いまだ不明なことが多いらしいのですが、外科的手術法(回頭手術)が行われていますし、手術に頼らず治癒を促す診療も行われているようです。(これ以上のことは、ここでは書けません)
ジストニアが発症する経緯は、「特定の動作~<こう動け>と脳が発する命令」を過剰に繰り返すことで、「その命令を自動的に伝達する脳神経が作られてしまう」ことだと思われます。
■ 症状の度合いについて
1.いつ症状が出る?
「一定の条件が揃う」と、その命令が自動伝達されてしまい、「意思に反して体・手・指」が反応する(勝手に動く)。これがジストニア症状の基本理解で良いと思います。
この「一定の条件」は症状レベルにより大きな個体差があり、軽度~重度まで様々です。
では「一定の条件がそろう」とは?
これは症状レベルにより大きな個体差があり:
・特定の流れ(例:人差し指から中指に入ろうとする等)の場合のみ症状が出る
・ギター演奏の状態に入ると出る
・ギターを構えると出る
・棒状の物を左手で触ろうとすると出る
等の様に、軽度~重度まで様々。
2.より重症化するのか?
ジストニアは「上書きされ、重症化する」ことを知るべきです。多くの方はこれを知らずに、どんどん悪くしてしまっている。
フィンガリングでの例を挙げてみます:
1.中指が巻き込む(初期症状)
2.それを抑えようとして中指を伸ばそうとする
3.しかし(2)は、隣接する薬指・小指を伸ばそうとする力でヘルプしている
4.(3)の「薬指・小指を伸ばそうとする」が新たなレイヤーとして付加される(第2階層)
5,4を抑えるため薬指・小指を握ろうとする(第3階層)
この様に、「今ある症状を克服しよう」としたことで、症状の複層化(レイヤーの上書)起こし、一層悪くしているのが分かるでしょう。
上記の2点からも、「複数の症状の併発」や「主な症状の変化」を訴える方が多いことの裏付けとなっています。
ジストニアのレッスンについて
ぺぺタス・ギター教室では、ジストニアのリハビリや矯正を希望する生徒さんたちを何人もレッスンし、大いなる成果を得てきたし、もちろん進行中です。
レッスンの基本的な考え方は極めてシンプルで、「症状が出る”一定の条件”を、揃えなければ良い」というものです。
今までの全経験において、ジストニアになって当校に来た方の100%は、
・「演奏フォーム」
・「動作方法」
・「練習方法」
の全てが悪い状態でした。
これらを改善することで「一定の条件がそろう」ことから離脱し、発現する症状を軽減できると考えています。そして確実な成果を積み上げて来ています。
生徒さんのタイプは以下の3種類です:
(1)外科手術後のリハビリ&フォーム改善で、再発防止を希望する人
(2)軽度の症状で手術の意思は無く、フォーム改善でなんとか演奏できるように取り組む人
(3)重めの症状で手術未定~フォーム改善で症状を軽減し、今後を模索しようとする人
このような皆様がペペタス・ギター教室で取り組んでいます。(当校に入学前、沢山のことを試みた人が多いようです)
典型的な症例(フィンガリング)
典型症例である【指の巻き込み・ツッパリ】は、ほぼ100%「共通の悪いフォーム」が原因です。
その場合、根本原因探しを進めると、多くの場合、中指の形&人差指の角度に共通の問題を発見した例が9割以上。そして、それを改善し症状の軽減を得た実績は100%でした。
簡単に具体例を示します。
(1)フィンガリングで「水平方向に拡張しよう」とした場合=簡単に言えば、「開こうとした時」。
駄目な方法=最初に人差指を決めて、小指側をボディーへ拡張しようとする
正しい方法=最初に中指・親指を決めて、人差指をヘッド側に拡張させる
駄目な例がもたらす現象=指の各関節(mp根本.pip中間.dip先端)に【ねじれ】が多く発生する。
何故それがダメ?=関節は、ねじれに弱い
(2)別の例で説明~セーハ(バレー)の場合
駄目な方法=最初に人差指のバレーを決めてから他の指を作る
正しい方法=最初に中指・親指を決めて、人差指のバレーを最後に作る
何故それがダメ?=最初に人差指&中指間の関節がFIXされ、もっとの長さのある中指が、その長さを持て余して傾いて(ねじれて)入る
(3)中指が巻き込む、に対する対処
駄目な方法=中指を反行させる(上げる・伸ばす)
正しい方法=なぜ中指が巻き込むようになってしまったのか?原因を理解し、それを修正する
何故それがダメ?=前述した「症状の上書」です
典型的な症例(ピッキング)
フィンガーピッキング・フラットピッキング共に、100%フォームが悪いことが原因です。
よくある症状としては、指の反発・巻き込み、手首が固まってしまう、等があります。
やはり、動作理論を明確に理解し(=大脳言語野で箇条書きにできるよう)、正しいフォーム&動作にすることで改善を見られています。
【例-1】フラットピッキングで親指が上に跳ね上がろうとする
原因は、アップピッキングの方向が悪い
ダウンストロークとアップストロークは、基本的にシンメトリックな円周軌道にある反復運動と考えるべき。この症状になった方は、アップピッキング時に右肩方向に「ひねり上げる・引っ掛ける」傾向がある
対処:前腕部の回転運動を、中指を伸身ラインを中心線として、動作方向を再認識し、ピッキング起動の修正を行う
【例-2】フィンガーピッキングで薬指が巻き込む
原因は、指を握る・戻る方向が滅茶苦茶なことです。
フィンガーピッキング時、指の出し入れも、シンメトリックにすべき。そしてimaの各指は、同じ方向に向かい、同じ方向に戻るべき。
「薬指が巻き込む」症状を持つ人は、ピッキング時に、指が右肘方向へ向かわず、顔方向へ引っ掛けるケースがほとんど。
対処:正しい方向への動作をマスターする
対処法のまとめ
まずは以下に紹介するビデオでの学習や、体験入学をご検討ください。
ジストニアのレッスンは、フォーム改善により原因となった【悪い動作】を回避する。
これは「上達のためのレッスン」と同じとも言えます。正しいフォームで動作することが、高い演奏効果を生むことは当然で、より良い演奏には不可欠ですよね。
強いて言えばリハビリ・コースのレッスンは、上達のためのレッスンと同じだが、よりフォームと動作の学習に特化していると言えます。
その第一歩は「正しい知識を得る・知る」ことです。
当校では、個人レッスン時間の100%を生徒様個々の個別事例対応に充てるため、個人差なく知るべき「総論」や「理論体系」は、ビデオ教材との併用を推奨しています。
「ペペタス・ウエブショップ」で販売している以下のレッスンビデオが、知識の体系的な整備に役立ちます。
最後に
以前はジストニアは長時間の練習をするヘビーユーザーがなるものと考えていましたが、初心者レベルの方でも重い症状になるケースに出会い、慄然としました。表面化しているギタリストのジストニア人口は「氷山の一角」であり、より多くの人が悩みを抱えたままギターから離れているはずです。だからこそ、ペペタス・ギター教室は、この問題に取り組み、情報を発信し続けるべきだと考えています。
ジストニアのレッスンは、強固な信頼関係が根本です。したがって、ご入学をお断りすることもあります。また、外科手術後もフォームが修正されなければ、再発の可能性は高いと考えています。
リハビリコース(含ジストニア)の体験入学は有料です
ジストニアの体験入学は5000円+消費税とさせていただきます。入学を希望した場合、その分を入会金より値引きいたします。
体験入学については、メニューバー>レッスン>無料体験にて。
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